自閉症と2歳で診断された切り絵作家星先こずえさん・綺麗にしないと気がすまない性分(中学校)

子育て
自閉症、掃除、習慣

日本各地で個展を開催している星先こずえさん

2歳の時に自閉症と診断された。

洋画家である城戸佐和子に師事し、「切り絵作家」として活動を始めた。

こずえさんの作品は、クレヨンと絵の具でカラフルに彩色した

自作の和紙を使用して、障害の壁を超越した創造力豊かな世界を

魅力的に表現しているのが、特徴です。

最近では、素材として古布も使用し今までにないインパクトが

感じられる作品になっています。

このような作品を作れるようになるまで、こずえさんに寄り添った

母薫さんが記録した奇跡の成長記録(綺麗にしないと気が済まない性分)をご紹介します。

清潔好き

恵子の中学時代には、その「清潔好き」が原因の、語らずにはいられない

面白いエピソードがたくさんある。

中学1年生になった最初の家庭訪問の日、担任の先生が話してくれた。

「恵子さんは、他の子供たちがさぼりたがる掃除をもくもくとしています。」

(そうでしょうねぇ。恵子ですから)。

「私は、影日向なく頑張る恵子さんの姿を他の生徒に紹介しました。するとその日から

生徒たちは真面目に掃除をしてくれるようになりました。

ところが、恵子さんがプンプン怒ってこられました。

全員が真面目に掃除するようになって、彼女の掃除道具が足りなくなったのです。

私は、恵子さんに悪い事をしたような気持ちになりました。」

私は、大笑いしながら、

「それは確かに。恵子にとっては気の毒な事件でしたよ。」と教えた。

2学期になると、先生がこんな話をしてくれた。

「恵子さんは、黒板拭きの係をしています。ところが、休み時間の全部をかけて

黒板を綺麗にしてくれるので、友達と接する時間がありません。

それで恵子さんの担当は、火曜日だけということにしました。」

先生の思いやりは、返って恵子のストレス解消の機会を奪ったことになっているけど

それはそれでいいかと思った。

恵子に「黒板拭きができなくて、火曜日以外はイライラしてるでしょ。」と聞いたら

「そうなんだ。でもみんなにわからないよう、少しだけこっそり拭いてる。」

授業参観では、恵子が唐突に席を立ってびっくりする。

ドキドキして見ていると、ずっと離れたところに落ちているごみを拾い、

ごみ箱に捨てて、また静かに座っていた。

先生も他の生徒も、いつものことらしくまったく驚かない。

学年が変わり、以前の担任の先生が言われた。

「教室がきたないなぁと思っていたら、それは私の教室から恵子さんがいなくなったせいだ、

と気がつきました。恵子さんは、水槽の金魚の世話まで、よくしてくれていたんですよ。」と。

周りから見たら、「たいへん真面目な生徒」に見えるけれど、本人にしてみれば

努力しているわけではなく、「綺麗にしないと、気がすまない。」からしているだけだ。

称賛も不要だった。

自宅でも、助かることが多々あった。

長い休みに入ると、いつも風呂場の大掃除をしてくれる。

台所の流しや鍋を、ピカピカに磨いてくれることもある。

私がおおいに感謝をしても、本人は淡々としていた。

こんないい子はいないよね。

でも、いつの間にか風呂場の掃除も、鍋磨きもなくなった。

ちょっと残念だけど、なんとなく嬉しい。

 

こだわりが強い自閉症、その行動が恵子さんの場合、掃除だったのかもしれませんね。

モクモクと掃除をして、綺麗になると褒められる。

褒められようとしているわけではないが、その綺麗好きは家での習慣やしつけが

大きく影響しているのかもしれませんね。

まとめ

恵子さんが、家の中で風呂掃除や鍋磨きが出来るまでの過程は

お母さんが毎日の生活の中で、繰り返し繰り返し恵子さんに躾を

教えていったことが土台になっていることは、確かですね。

恵子さんのお母さんは、自閉症の恵子さんを普通の女の子と同じように

接してきたのが、わかるエピソードですね。

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自閉症と2歳で診断された切り絵作家星先こずえさん・見えにくくなった障害(高校)

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