びわの季節になりましたね。
子供の頃、食べたびわが美味しくて
種を庭に埋めたら
「びわは、お寺に植えられてる事が多く
人のうめき声を聞いて大きくなるから
一般の家の庭に埋めるものじゃないよ。」
と祖母に叱られました。
それ以来、びわに対して
美味しいけど、暗いイメージしかなくて。
今でも、びわを見ると祖母の言葉を思い出します。
でも、びわ茶や葉を湿布に使われているのを
聞くとずっと疑問に思っていました。
びわの効用などについて調べてみました。
びわ?
びわは、バラ科の果物(さくらんぼやももの仲間)
琵琶(楽器)の形に似ていることが由来。
旬は6月。最近はハウスものもあります。
びわはいつから?
びわは、奈良時代に
「大薬王樹」(だいやくおうじゅ)と呼ばれ
食用よりも薬用として伝わりました。。
文献には、光明天皇が「施薬院」で病人や貧民に
「びわ療法」として使ったと記録が残っています。
食用として、本格的に栽培が始まったのは
江戸時代から明治時代にかけて。
以前からあった「茂木」「田中」という品種に加えて
今は、「長崎」「大房」など大きい実をつける品種も生まれ
高級果実として流通しています。
びわの選び方
- 皮にハリがあり、うぶ毛や白い粉が残っているものが新鮮。
- 実には、体内で分解されると青酸となる体に有害な
シアン化合物が含まれているため、しっかり熟したものを
選ぶ。(びわは、追熟しないので売られてるものは大丈夫。) - 酸化しやすいβカロチンやタンニンを含んでいるので
剥いたらすぐ食べる。
効用や効能
「薬樹」として実、葉、種子、花、根などに薬効があるとされています。
「実」の効用や効能
- 抗酸化作用
βカロチンやタンニン、クロロゲン酸による
抗酸化作用があるためアンチエイジング効果が期待。 - 生活習慣病の予防
βカロチンやタンニン、クロロゲン酸の
抗酸化作用による動脈硬化や糖尿病のような
生活習慣病の予防する効果が期待。 - 皮膚や粘を潤す効果
βカロチンによる粘膜の乾燥を防ぎ
疲労や視力の回復を促す作用がある。 - 夏バテ解消効果
体を潤し、暑気あたりを解消する果物。
葉の効用や効能
「葉」は「実」よりも優れた効能があり
漢方薬の材料として長く使用されています。
生薬「ビワヨウ」として収穫されているものには、
抗炎症作用・抗菌作用・咳を鎮める作用・痰を取り除く作用
利尿作用・健胃作用が認められています。
医薬品としては、咳・暑気あたり・体のむくみなどの
症状に処方されています。
びわの葉茶「枇杷葉湯」
江戸時代、庶民の間で清涼飲料水として
飲まれていたのが「枇杷葉湯」(びわようとう)です。
びわの葉を乾燥させて
呉茱萸(ゴシュユ)や莪朮(ガジュツ)などの薬草と
合わせて煎じたものです。
夏バテで疲れた体をいたわるために飲まれていました。
わびの葉をスキンケアに
びわの葉は、外用としても使われてきました。
民間療法としては
- あせも・ニキビなどの皮膚トラブルにびわの葉エキスをぬる。
- 冷え性・皮膚炎に、お風呂にびわのはエキスや葉を煮だしたものを入れる。
- 打ち身・腰痛にびわの葉のエキスや葉のすりおろしたものを
湿布として使う。 - 虫さされのかゆみや腫れなどにびわの葉エキスを塗る。
- 咳をしずめるために、マスクにびわの葉エキスを塗る。
- びわの葉やびわの葉エキスを使って温灸。
びわの葉エキスの作り方
材料
びわの葉(乾燥したもの) 150g
ホワイトリカ(35度以上) 1.8ℓ
4リットル瓶 1個
作り方
- びわの葉を、数センチほどに切り手でよく揉む。
- 瓶にびわの葉とホワイトリカを入れる。
- 冷暗所で保管。夏場2ヶ月、冬場4ヶ月で
濃い緑色になる。 - 定期瓶を振り、上下を入れ替える。
- びわの葉が茶色になったら葉を取り出して完成。
ガンに効くの?
「万能薬」として言われたびわですが
「アミグダリン」という成分が
ガン細胞を死滅させるとして、実際に治療にも
一時使われてきた。。
国立健康・栄養研究所の臨床結果によると、
有効成分とされていたアミグダリンに対して
「効果がない。」と明確に否定されています。
今のところ、ガンに効くとは言えないようです。
「アミグダリン」は、種子の含まれている
シアン化合物です。
びわの種に高濃度で含まれていて
体内に入ると、青酸を発生させるため
多量に摂取すると健康被害を招きます。
ごく少量であれば安全に利用できます。
まとめ
昔、お寺では、びわの葉を炙って貼ったりと治療に使われていたため
びわの木があると、病人がその葉を求めて列をなしたそうです。
いつしか病人が寄ってくるから「縁起が悪い」と言われたそうです。
びわは、上手に使用すればとてもとても効用効能の
ある果物だということがわかりました。
祖母が言っていた「縁起が悪い」の意味も
わかり、長年の疑問が解決しました。
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