日本では、まだ知られてない「エクソソーム」ですが
美容先進国の韓国では、すでに「エクソソーム」を利用したコスメの
開発が進んでいます。
「エクソソーム」の気になる美容効果について調べてみました。
「エクソソーム」とは?
「エクソソーム」は、私達の体の中に存在していて、細胞間の情報伝達に関係しています。
「エクソソーム」は、創傷治療などの再生医療の分野でも、
注目されています。
最近では、美容業界でも注目が高まってきていますが「エクソソーム」
という存在自体を知らないという人がまだまだ多いです。
「エクソソーム」とは、細胞から分泌される小さな顆粒状の小胞です。
「細胞外小胞」は、細胞から分泌される小胞のことを総じて呼ばれ
「エクソソーム」もその一種です。
かつて「エクソソーム」は、細胞内に溜まった老廃物などのゴミを
排出するだけの袋のように考えられていたが、2000年代に入って
研究が進み「エクソソーム」は、細胞と細胞の情報伝達、「細胞間同士の連絡役」としてとても重要な役目があることがわかったのです。
「エクソソーム」の働き
大切な情報を守って伝達
「エクソソーム」は、小さな粒状のカプセルのような形をしていて
中に大切なマイクロRNAのような遺伝情報を含んでいます。
マイクロRNAは、非常に壊れやすくそのまま細胞外に出されると
すぐに分解されてしまいますが、実際は「エクソソーム」が包み込んだ
状態で、細胞外へと袋のまま出すので大切な情報は、壊れずに無事他の細胞へ伝達できるのです。
情報をピンポイントで遠い細胞にも届ける
「エクソソーム」は、隣り合った細胞や遠く離れた細胞にも確実に
情報を届けることが可能です。
「エクソソーム」は、表面に鍵穴と鍵のような仕組みに対応するタンパク質を持ち、狙った細胞を探し出し中に入り込みます。
狙った細胞に到着すると、相手側の細胞膜に融合して「エクソソーム」
として細胞内へと入り込んでいきます。
この仕組みにより、遠く離れた細胞同士の情報伝達を可能にしているのが「エクソソーム」です。
また、「エクソソーム」を外敵とみなして免疫が攻撃しないような
精巧な仕組みも持っています。
「エクソソーム」は、非常に効果的に情報を伝達して、機能的な変化や
生理機能を引き起こしていることが分かっているのです。
「エクソソーム」と美肌の関係
「エクソソーム」とコラーゲン生成
ある研究報告によると、真皮の幹細胞が自身の分泌する「エクソソーム」を介して線維芽細胞へ指令を送って、コラーゲン産生を促進しています。線維芽細胞とは、コラーゲンを生み出す能力を持っている細胞です。
この研究では、真皮の幹細胞が分泌した「エクソソーム」を
線維芽細胞が内側へ取り込んでコラーゲンの生成量を増やしたのです。
今後、さらに作用のメカニズムが明らかになっていけば、
「エクソソーム」を利用して狙った場所のコラーゲン生成を増やして
たるみや肌の張りの治療などのアンチエイジングへの応用が
期待できます。
「エクソソーム」と皮膚の老化
別の研究では、「エクソソーム」と皮膚の老化現象や「エクソソーム」
中に含まれているマイクロRNAの関係についても報告されています。
紫外線のような外部の刺激による皮膚老化にも「エクソソーム」
による細胞伝達の仕組みが関係していると言われています。
今後の研究が進展することで、紫外線による老化現象に対する効果的な
対策になるかもしれませんね。
注目される「エクソソーム」のヒト由来の幹細胞培養上精液
ひと由来の幹細胞培養上清液とは、人の体に存在する細胞を
培養した上澄みの液です。
どんな細胞にも成長・分化できる能力をもった幹細胞にアプローチが
可能です。
再生美容医療において欠かせない「ヒト由来の幹細胞培養上清液」
の中でも、「エクソソーム」のブームが来てます。
「エクソソーム」は、幹細胞に多く含まれているので、
ヒト由来の幹細胞培養上清液の効果にも大きく関わっていることが
わかってきました。
倫理的な問題により他人の幹細胞を利用することは認められていないので幹細胞の培養液
(上澄み)だけを使った方法が、主な美容再生医療となっています。
ヒト由来の幹細胞培養上清液効果
- エラスチンやコラーゲンなどを増やし肌を若々しく再生
- けがや傷で失った細胞を再生(創傷治癒)
- 細胞分裂を活性化させてシワの改善や防止効果
- メラニン生成を抑えて美白効果
- 抗酸化効果による老化抑制
若返り治療など、これまでの技術では難しいとされていた
「回復」「再生」という夢のような効果を、幹細胞培養上清液が可能
になったのです。
この優れた効果に「エクソソーム」が深く関係していることが
分かってきました。すでに使用されているヒト由来の幹細胞培養上清液
にも「エクソソーム」が含まれ、その効果に大きく関わっています。
まとめ
美容医療だけではなく、身近な化粧品にも「エクソソーム」が
利用され始めています。
「エクソソーム」を配合した美容液の登場や新しい化粧品原料としても
利用価値が高いことがわかってきています。
「エクソソーム」は、細胞に対する親和性も高いので、薬剤や内包する成分を狙った場所に確実に届けることも得意です。
この仕組みを、医薬品や化粧品に応用することで、さらに対象に対して
効果的なアプローチが可能になると言われています。
日本ではまだ、「エクソソーム」配合のコスメは多くはありません。
美容先進国の韓国では、ヒト幹細胞培養液+エクソソームを利用した
コスメの開発が進んでいるので、日本へもそのブームが近いうちに
やってくるでしょう。
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