自閉症と2歳で診断された切り絵作家星先こずえさん・嫌がっても続けさせた日々(幼稚園~小学1年生)

自閉症、描く、続ける 子育て
自閉症、描く、続ける

日本各地で個展を開催している星先こずえさん

2歳の時に自閉症と診断された。

洋画家である城戸佐和子に師事し、「切り絵作家」として活動を始めた。

こずえさんの作品は、クレヨンと絵の具でカラフルに彩色した

自作の和紙を使用して、障害の壁を超越した創造力豊かな世界を

魅力的に表現しているのが、特徴です。

最近では、素材として古布も使用し今までにないインパクトが

感じられる作品になっています。

このような作品を作れるようになるまで、こずえさんに寄り添った

母薫さんが記録した奇跡の成長記録(嫌がってさせた日々))をご紹介します。

さらなる笑顔で

年長から小学1年生にかけては、ドッツの書き写しの練習をたくさんやった。

それは、当時くもん出版から出ていたドリル(『くもん式のうつし絵あそび』)で

本屋さんの店先に並んでいた。

ページの左側には、ドッツを線でつないだ、簡単な四角や三角からけっこう複雑な絵までが

段階を追って描いてある。

それを見ながら、ドッツだけが印刷された右側の面に書き写す、というもの。

それもまた、市販のものでは取り組んでくれなかったが、私がトレーシングペーパーに

書き写せばやってくれた。

例によって、毎日3枚ずつである。

1枚に3問ずつあるから1日9問ずつ取り組んだことになる。

幼児、特に障害を持つ子供には、難しい課題に違いない。

でも、動物やいろいろな形を描く作業だから、難しさを意識しないで先に進めたようだ。

理屈は説明できないが、これは筆圧や集中力をつけるのに大変役立った。

私の取り組みを聞いて、

「どのくらい続ければいいですか?」と聞いてくる人がいる。

私は、「期間にして1年、2年。量にして段ボール箱に1箱、2箱。」と大雑把に答える。

つまり、いつまで続ければいいのだろう、などと考えていたら続けられない、ということだ。

まず、にこやかな笑顔で

「さぁ、恵子ちゃん、今日も頑張ろうねぇ。」と声をかけないといけない。

「ヤダァ~!しない!」という叫び声にもビクつかず、さらなる笑顔で

「あらぁ、そうなの。今日も楽しいよ。」と続ける。

「どうして、今日はしたがらないのかしら?」とイライラしないこと。

「あぁ、したくないんだなぁ。」と優しい気持ちで察してあげてこそ、

イヤイヤながらも鉛筆を握ってくれるものだ。

難しいことだが、優しい気持ちは必要。

でも弱気では子供に見抜かれてしまう。

「毎日、欠かさず続ける」というスタンスを毅然として持っていなければ

相手は折れてくれない。そうやって無事に終われば

「今日も頑張ってくれた。恵子ちゃんって、エライ!」と称賛せずにはおれない。

幼稚園に入園した当時、自分の教室に入りたがらず、先生を悩ませていた恵子だった。

捕まえられ、教室に入れられても、外に出たがって出入口をドンドンたたく。

もしくは、棚の中やごみ箱に収まって、椅子に座ろうとしなかった。

それでも2年間、1日も欠かさず「書くことへの取り組み」と続けたおかげで

小学生になった時には、授業中になんとか座っていられるようになったのだと思う。

小学校に行っても、先生の話は耳に入らないし、言われたことを何も覚えていない。

でもお姉ちゃんに心配をかけながらも、学校に行き、授業中にちゃんと座り続け

そして何とか帰ってくる。

それだけで十分だった。

 

 

幼稚園の2年間でのドッツの書く練習の成果が、小学校でちゃんと座れるようになったことは

とても凄いことです。

普通のお母さんだったら「いやだぁ!」と叫ばれたら心が折れてしまいますね。

でも薫さんは、笑顔でタンタンと毎日やらせることができたことは、本当に凄い事だと思います。

まとめ

なんでもそうですが、簡単なことでも毎日続けることが一番大切なことで

夢中で続けるからこそ、結果がついてくるのだと思います。

「いつまで続ければ・・・・・」と思いながらしていては、結果は出ないということですね。

「継続は力なり!」ですね!!!

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