五月人形や兜は、何歳まで飾るの?感謝の気持ちを込めたお別れの仕方と一人一つの理由

生活

毎年、端午の節句(子どもの日)に五月人形や兜を飾ってお祝いするご家庭も多いと思います。

五月人形や兜は、男の赤ちゃんが生まれると、初めて迎える端午の節句に飾り始めます。

毎年飾っていた五月人形や兜は、子供が何歳になるまで飾るのが適切なのでしょうか?

五月人形は、何歳から何歳まで飾るのか、昔はいつまで飾り現代ではどう変わったのか。

飾り終えた五月人形や兜は、どう処分すべきなのかをご紹介しますね。

関連記事 「端午の節句」の由来、五色の吹き流しの意味、兜や鎧・鯉のぼりを飾るのは、なぜ?

五月人形や兜は、何歳まで飾るの?

桃の節句に飾る雛人形は、「女の子が結婚するまで飾ると良い」と言われていますが
端午の節句(子どもの日)に飾る五月人形や鎧兜は、「〇歳~〇歳の間に飾るのが良い」
といった決まりはありません。
五月人形に込められた成り立ちや意味や成り立ちを知ることでその理由が、よくわかってきます。

端午の節句(子どもの日)に五月人形や兜を飾る意味は、お子さんの健やかな成長を願うとともに「子供の身代わりとなって、降りかかる災厄から身を守ること」にあります。
親として、「子供が健やかに、安全に育ってほしい」という気持ちに期限はないため
「〇歳~〇歳まで」といった明確な決まりがありません。
あえて期限を決めるなら、「身代わりがいらない=自立している」と考えと
成人式を迎える年「お子さんが自立するまで飾る」ことになりますね。

五月人形が「身代わり」の役目を持ったのは、ある中国の故事が由来と言われています。
中国の春秋戦国時代、ある政治家を供養するために5月5日を祭りの日としました。
それが、徐々に災厄や病気を避ける行事となり、その文化が日本に伝わって
5月5日に飾る五月人形に「身代わり」という役目を持つようになっていきました。

昔の五月人形は、成人の儀式「元服」を行うまで

昔の男子の成人時期は、現代よりも早い11~16歳の間に行われる「元服」という儀式を経て
成人になるとされていました。
成人する時期が現代よりも早いので、五月人形も早くに飾られなくなっていました。

元服は、奈良時代以降に「成人になったことを示す儀式」として行われてきた行事で
当時、男子は左右の髪をそれぞれの耳の上で丸く結った髪型「総角」(あげまき)をしていました。元服の時に髪を頭上で結って、冠や烏帽子(えぼし)を着けるようになり、
衣服も「闕腋」(けってき)という両脇の下を縫い合わせない衣服から、「縫腋」(ほうえき)
という両脇の下を縫い合わせる衣服に変わりました。
名前も、「松平竹千代」などの幼名(ようみょう)から「松平次郎三郎元信」など
実名に変わったのです。

髪型、衣服、名前を変える元服という儀式をすることで、当時の男子は「成人男性」として
扱われるようになり、元服の後は「身代わり」となる五月人形は必要が無くなり
飾る必要がにと考えられました。

現代は成人20歳までが飾るのが理想

一般的に現代では、「成人するまで飾る」という考えが主流となってきています。
子供が20歳になるまでは、五月人形を飾り続けられたら理想的ですね。

五月人形や兜の処分は?

供養する

子供が無事成人して役目を終えた五月人形は、供養してもらいましょう。

五月人形は「身代わり」という意味があるので代々受け継ぐより1人に1組ずつ用意するのが
理想的ですが、そうすると、兄弟が多いと広い保管スペースや飾らなくなった時の保管も
現実的では難しいですね。

ごみとして処分するのも、「身代わり」という意味を考えると忍びないです。
「供養」は、これまでの感謝の気持ちも伝えながら適切にお別れできる方法の一つです。

五月人形の供養には、お寺や神社で行う場合や日本人形協会に依頼する場合や自宅で行う場合
があります。それぞれ費用や方法などが異なります。

寄付をする

五月人形の寄付は、「あまり好ましくない」という意見もあるようです。
五月人形の本来の役目が、「子供の身代わりとして、病気やけがなどの『厄』を引き受ける」
というものなので、引き受けた「厄」を抱えたままのお人形を他の方に譲るからです。

五月人形は、幼稚園や保育園の各施設に寄付が可能

児童養護施設、幼稚園や保育園などはHPや張り紙等で寄付の募集をしていることがあります。
そのタイミングで寄付することが可能ですが、年間を通して寄付を募集している施設は
少ないです。寄付の時期は、五月人形を飾らなくなった時とより、寄付の募集が行われている時期に合わせることになります。

年間を通じて寄付できる「セカンドライフ」と寄付の方法

寄付の募集を行っている施設探しや寄付できるタイミングを待つのは、なかなか大変です。
年間を通してお人形の寄付を募集しているNPO法人グッドライフ」の「セカンドライフ」
というサービスがあります。

「セカンドライフ」

「NPO法人グッドライフ」が運営する「セカンドライフ」は、リユースや不用品のリサイクル
を行っていて、地球環境を守ることを目的として国内外の方に笑顔を届けています。
「子供と一緒に長い期間を過ごしてきたお人形をゴミと一緒に捨てるのは・・・」
という思いから、お人形について第2の活躍の場を提供活動をしています。

・寄付されたお人形は、ほぼ供養やリユース

五月人形は、外国からの引き合いも多く、人気ですが必要とされている量が限られているので
寄付したお人形がリユースしきれない時は供養になります。

・寄付された箱数に応じてポリオワクチン募金

発展途上国の子供たちがポリオワクチンを打てるように、寄付1箱につき1人分のワクチン募金を
しています。
引き取り料金の一部から、お客様の代理としてワクチン募金をセカンドライフが行います。
セカンドライフの寄付は、環境保護、国際支援にもなっています。

申込みの際は、HPから寄付の申し込みを行います。
ご自身で用意したダンボールに寄付するものを詰めたら、セカンドライフから届く伝票を張り付けて発送します。

詳しくは「セカンドライフ」のHPでご確認ください。

五月人形や兜は、一人にひとつ

端午の節句に飾られる五月人形や兜は、生まれてきた赤ちゃんが、「健康で元気にすくすく成長しますよう、赤ちゃんの厄の身代わりとなって、けがや病気やけがをしないよう守ってくださいね」
との願いを込めて飾るものです。

お寺や神社のお守りは個々人を守るものなので、両親や兄弟姉妹と共有はしないのと同じで
五月人形も共有しません。
そう考えると、お父さんの五月人形を赤ちゃんに受け継ぐお節句の祝い方は、
あまりおすすめできません。

五月人形本来の意味から考えると、代々受け継ぐのではなく男子の赤ちゃん一人に
一つを準備してお祝いをしましょう。

まとめ

五月人形や兜を何歳まで飾るかについて特に決まりはありませんでしたが、

「身代わり」という意味を考えると、や20歳の誕生日成人式など「子供が成人した歳」まで

飾ってあげられるのが理想的のようですね。

昔は、男子が一人前とみなされる儀式「元服」を境に、五月人形は飾られなくなりました。

飾らなくなった五月人形や兜は、単に処分するのではなく「これまで厄を除けてくれて有り難う」

と感謝の気持ちを伝えられる「供養」や「寄付」をするのがいいかもしれませんね。

 

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