「端午の節句」に必ず飾られるのが五月人形ですね。
弓や兜、太刀などの勇ましい道具が並びます。
「端午の節句」に、弓や兜を飾るようになったのはなぜでしょうか?
五月人形や鯉のぼりを飾る理由と初節句のお祝いについて知らべてしまいました。
五月人形の由来・飾る意味
「端午の節句」は、元々古代中国の季節行事「五節句」(七草の節句、桃の節句、端午の節句、竹(笹)の節句、菊の節句)」の1つで、「節句」とは、季節の変わり目を意味していました。
季節の変わり目には邪気が寄りやすいと考えられ、厄払いとしてお供え物と季節ごとの飾りをして
無病息災を願う風習があったのです。
現在の5月は、とてもさわやかな初夏ですが、旧暦5月は今の6月にあたり梅雨の時期になります。
旧暦5月の最初の午(うま)の日という意味が「端午」なのです。
鎌倉~室町時代になると武士が台頭してきていました。
梅雨前、手入れや虫干しをするために武具に風を通すため兜や鎧を出して
家の中に飾る習慣が武家にありました。
「端午の節句」に兜や弓が飾られるようになったのは、こうした武家の習慣に由来しています。
甲冑や兜や、弓などの戦闘の用具ととらえるという考え方もありますが、
兜や甲冑は武将にとって、身を護る大事な装備です。
「わが子を守ってくれるように!」という願いが五月人形の兜や甲冑には込められているのです。
五月人形・鯉のぼりを飾ることの意味
鯉のぼりを飾る
鯉のぼりは、「外飾り」と言って屋外に飾る五月飾りです。
鯉のぼりは、多くのご家庭が4月上旬頃に飾り付けます。
我が家に男児が誕生したことを天の神に告げ、鯉のぼりを目印にして「この子を守ってやって下さい」と守護を願いました。
中国の故事に「鯉が竜門の滝を登ると竜となって天をかける」というのがあります。
「登竜門」は、「男児の成長と出世を願う」言葉となったのです。
元々鯉は、清流はもちろん、沼でも池でも生きられる生命力の強い魚です。
中国の伝説から、鯉のぼりは「環境に左右されずに、立派に成長し、立身出世するように!」
と願って飾られるようになったそうです。
江戸時代、武家に男の子ができるとのぼりや馬印を玄関の前に立てて祝いました。
それが一般に広まり、のぼりを立てるようになって、鯉のぼりが庶民によって考案されました。
鯉のぼりは、町人の家庭でもよくあげられるようになったそうです。
登竜門の話を「鯉のぼり」という形で、青空を泳がせるという発想は、日本人独特の世界に類を見ない感性です。
お父さんは黒の真鯉、お母さんは赤い緋鯉、子供たちは青や緑。女の子や次男、三男のお子さんは
それ以外の緑色や黄色、オレンジ色、紫色などが出現しています。
鯉のぼりと五色の吹流しの関係
「五色」は、古代中国の「五行説」に由来しています。
万物は、「木」「火」「土」「金」「水」の五つの要素で形成されているとの考え方です。
「木」は青、「火」は赤、「土」は黄、「金」は白、「水」は黒を表現しています。
吹き流しや旗は、源平の時代から目印として使用されていました。
江戸時代の浮世絵にも、吹き流しと鯉のぼりは描かれています。
五月人形を飾る
五月人形は、「内飾り」と言って屋内で飾る人形です。
「内飾り」は、3月下旬~4月の終わり頃にかけて一般的に飾られています。
「端午の節句」で飾る五月人形「兜飾り」「鎧飾り」は災難から男の子の身を守り
「子供大将飾り」は、子供が元気で立派に育つことを願いました。
「兜飾り」は、病気や交通事故から大切な子供を守ってくれる「お守り」の役目をしています。
「鎧飾り」よりもコンパクトで扱いやすいという理由で、戦国武将シリーズや実際にかぶれる着用兜など種類が多いです。
五月人形はいつ買って、いつから飾るの?
店頭に五月人形が出る時期は、2月下旬から4月上旬です。
この時期を逃さないようにしないと、後になるほど選択肢が少なくなります。
節句人形もお正月の飾りと同じで「一夜飾り」は厳禁です。
早くから飾っても問題はないので、最低でも1~2週間前までには飾りましょうね。
五月人形は兄弟それぞれに用意するの?
人形は基本的に人の厄を身代わり、願いを背負うので、理想としては一人一人に用意します。
飾るスペースの都合でいくつも飾れないときは、次の子の分として武者人形などを用意しましょう。
五月人形は代々受け継いでもいいの?
五月人形の本来の目的は、ひとりひとりに用意して子供の健やかな成長を祈ることです。
子供が無事に成長した時点で、その役目が終わります。
そのような意味合いを持っているので、出来る限り新しいものを準備しましょう。
健やかな男の子成長を願う端午の節句は、しきたりや由来を知って、心を込めてお祝いを
してあげたいですね。
初節句のお祝い
雛人形と同様に、男の子の初節句に飾る「五月人形」は母親方の実家から贈る風習がありました。
今では両家で相談して折半したり、赤ちゃんのご両親が気に入ったものを購入する場合も増えて
きています。
地域によって、友人や親戚が鯉のぼりや子供大将飾りなどを贈る風習があるそうです。
五月人形を贈る時は、端午の節句の飾る時期に間に合うように贈りましょう。
お祝いの食事の準備
「端午の節句」には、特別な食事を準備して「端午の節句」を祝います。
昔から食べられてきた「ちまき」「柏餅(かしわもち)」ブりや筍など魚を使ったお食事は
全て子供の成長への願いが込められ縁起物です。
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集まってお祝い
五月人形を飾り、特別なお食事を準備して男の子のお祝いである「端午の節句」をします。
特に初節句は、節句当日や前の晩(宵節句)に、親しい方々、お祝いを頂いた方や両家の両親を
招いてお祝いの席を設けることが多いようです。
お呼ばれした時は、「初節句御祝」と書いた「のし付き」の金品を持参しいます。
お祝いのプレゼントには、お菓子やベビー用品、小さな五月人形などを贈りましょう。
初節句祝いのお返し
3日以内に、初節句に頂いたお祝いへのお礼状を、一週間以内にお返しの品を送ります。
子供の名前で「初節句内祝」として、ギフトカタログや菓子折りなどを贈るのが一般的です。
お返しの品には、子供の写真やお礼の手紙をつけて贈りましょう。
お祝いの席に招いた方には、初節句へのお返しは必要ありません。
まとめ
「外飾り」の鯉のぼりは、毎日の天気と相談しながら飾るのは大変ですね。
「端午の節句」で飾る「兜」「鎧」「鯉のぼり」それぞれに子どもの健やかな成長を
願うが込められている、日本の素敵な風習ですね。
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