自閉症と2歳で診断された切り絵作家星先こずえさん・母親としての覚悟

自閉症、母親、牛乳 子育て
自閉症、母親、牛乳

日本各地で個展を開催している星先こずえさん

2歳の時に自閉症と診断された。

洋画家である城戸佐和子に師事し、「切り絵作家」として活動を始めた。

こずえさんの作品は、クレヨンと絵の具でカラフルに彩色した

自作の和紙を使用して、障害の壁を超越した創造力豊かな世界を

魅力的に表現しているのが、特徴です。

最近では、素材として古布も使用し今までにないインパクトが

感じられる作品になっています。

このような作品を作れるようになるまで、こずえさんに寄り添った

母薫さんが記録した奇跡の成長記録(母親としての覚悟)をご紹介します。

冷蔵庫前の牛乳事件

恵子の母親としての取り組みを話す時に、この事件だけは欠かすことができない。

私は、反応のない恵子に、話しかけを続けた。

褒めてあげたいが、褒められることは何もない。

幸い女の子なので、

「恵子ちゃんは、可愛いねぇ。」と褒めてあげた。

にっこり笑って、高い声で。

そうすると、何も反応しなかった恵子が、怒られると不機嫌になったのだ。

褒められた時は気持ちがいいものだから、怒られた時はその反対の表現を

するようになった。と解釈した。

それからは、笑顔で、

「可愛い、可愛い恵子ちゃん。」と言い続けた。

1ヶ月ごとに療育相談へ行く度に、

「こういう状態の子供さんにしては、ずいぶん成長していますね。」と私が褒められた。

でも、私には、まだ恵子の成長が見えない。

焦っていた。

ところで、恵子は牛乳が大好きで、飲みたい時にないものならパニックになった。

だから、牛乳が切れると、夜中でもコンビニへ買いに走っていた。

牛乳が欲しい時、彼女は、「ぎゅうにゅう」という言葉が

出せないから、自分のコップを私に差し出す。

すると、私は「あら、恵子ちゃんは牛乳が欲しいのね。」

と言って、コップに牛乳をついであげる。

でも、その日の私は、疲れと焦りのピークだった。

恵子にどうしても「ぎゅうにゅう」と言って欲しかった。

私は、牛乳パックを見せながら

「ぎゅうにゅう、ぎゅうにゅう」と繰り返した。

恵子は、大好きな牛乳が見えているのに、飲めないものだから泣き叫ぶ。

私も「ぎゅうにゅう、ぎゅうにゅう」と叫び続けた。

冷蔵庫の前で、娘は泣きわめき、私は叫び続けた。

気がつくと、睡眠障害で昼寝もできない恵子が、泣き疲れて寝てしまっていた。

私は、恵子の寝顔を見ながら、大声で泣いた。泣けるだけ、泣いた。

そうして、決心した。

「このままでは、この子は普通の小学校には行けないだろう。

でも、他の誰でもない、この私がベストをつくそう。」と。

この時に、腹が決まった。

恵子は何ができないのか、ではなく、何ができるのかを考えた。

恵子の成長において、次のステップは何か、

そのためには私は、何をするべきかを考えた。

恵子が「ヤダァ、ヤダァ」と叫ぶたびに、私はまた別の作戦を考えた。

この時から、決して諦めない母親になった。

 

恵子さんのお母さんも一人の人間。

毎日毎日、恵子を向き合いながらの生活。

反応のない恵子さん、成長がまったく見られない、出口のない長い長いトンネルの中で

孤独な戦いが続けば、爆発する時もあります。

でも、爆発することで気持ちがすっきりして、前に進むことができたのですね。

まとめ

健常児の母親でも、子育ては試行錯誤。

働きかけをすれば、それなりの反応が見えます。

でも、障害を持った子供はできない事の方が多いから

働きかけをしても、健常児の何倍、何十倍、何百倍もしなければ

できるようにはならない。

その障害に程度によって、回数モバラバラ・・・

終わりのない作業を、成長が見られるまで続けるしかない。

ポイントは、諦めずに毎日続けること。

それが、どんなに大変なことか・・・

改めて、障害を持つお母さんの凄さを感じました。

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自閉症と2歳で診断された切り絵作家星先こずえさん・読み聞かせから一人読みへ

 

 

 

 

 

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