自閉症と2歳で診断された切り絵作家星先こずえさん・不安だった赤ちゃん~幼児期

自閉症、公園、違い 子育て
自閉症、公園、違い

日本各地で個展を開催している星先こずえさん

2歳の時に自閉症と診断された。

洋画家である城戸佐和子に師事し、「切り絵作家」として活動を始めた。

こずえさんの作品は、クレヨンと絵の具でカラフルに彩色した

自作の和紙を使用して、障害の壁を超越した創造力豊かな世界を

魅力的に表現しているのが、特徴です。

最近では、素材として古布も使用し今までにないインパクトが

感じられる作品になっています。

このような作品を作れるようになるまで、こずえさんに寄り添った

母薫さんが記録した奇跡の成長記録(不安だった乳幼児期)をご紹介します。

幼い頃を振り返る

ここで、恵子の幼い頃の様子を振り返ってみたい。

生まれた時の体重は3キロ弱で、出産時に母親を苦しめることも少なく

健康に生まれてきてくれた。

両親に似ず、とても可愛い女の子だったから

「他の赤ちゃんととりちがえられてないかしらね?」と冗談を言っていた。

今思うと、長女が誕生した時に感じた、母子の一体感のような何か、

あるいは赤ちゃんが母親を探して発するサーチライトのような何かが

感じられなかった気がする。

主人は、出産の時にへその緒が、首に巻き付いていたという医者の言葉が気になっていた。

あまり泣かなかった。泣かないだけでなく、声を出すことの少ない、

静かで手がかからない赤ちゃんだった。

ハイハイの時期が殆どなく、8ヶ月半で歩きだした。

当時は、成長が早いと単純に喜んだ。

後年、自閉症児のグループ療育を受けた時に、他の母親たちがみな、

ハイハイの時期が少なかったと話すのには、驚いた。

頭を挙げながらハイハイをたくさんすることが、脳の発達を促す、とも聞いた。

子供たちにとっては、通るべき成長の段階を1つ1つ着実に歩んでいくことが

大事なのだ、と感じさせられた。

ビデオや写真を撮る時にはこちらを見るが、なにげなく目が合うということはなかった。

すぐそばで、大きな声で名前を呼んでも全く反応しない時が多々あった。

それなのに、小さい声で語りかけた言葉に、すぐ振り向くときもある。

耳が聞こえないというわけではなさそうだが、何かおかしい。

公園に連れて行くようになると、動き方が他の子供と違っていた。

他のお母さんたちは、子供を見守りながらおしゃべりができるのに

どうして私にはできないのだろう?

ちょっと目を離すと、長い距離をまるで瞬間移動のように動いていた。

次の瞬間移動で行方不明になる前に、近くまで走っていかないといけない。

スーパーへ買い物に行くと、あっという間に商品のかげに姿が見えなくなる。

聞こえてるはずなのに、どんなに名前を呼んでも出てこない

探しつかれたころに、フラッと姿をあらわす。

問題なのは、自分が行方不明という意識が全くないことだった。

母親の私との繋がりが、まだできていなかった。

我が子の成長だけを見ていると、様子がおかしいことに気づきにくい。

子育てママが集まる公園、ママたちが子育てについて情報交換する場所。

自閉症児の特徴を理解しながらも、恵子さんの行動に振り回される日々。

その中で、恵子さんに何が必要なのかを考えている薫さんは、凄いです!

まとめ

障害があるかどうか、判断することはとても難しい。

小さい時は、特にグレーゾーンが広ければなおさら・・・

また親もそうでないことを願うし、知りたいとも思わないだろう。

でも薫さんは、早く教えて欲しかったと言っている。

戦う相手を知って、戦うことを選んだ薫さんは、強い人ですね。

 

 

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